2015年2月13日金曜日

羽根

前回の苦い思いをバネにして、羽根を完成させました。

今回は、前回の目標をクリアし、何かひとつでも作業の中で発見がしたい!
少しでも良いものを目指し、思いついた小さな試み、刃を入れる角度、いろいろ試してみました。

羽根のイメージがふわふわと頭の中に浮かび、
ああしたらどうかな、こうしたらどうかな、そんなことを考えていると楽しく、それを形にする時はとても興奮します。

切れる彫刻刀で毛彫した羽根は、ある角度から太陽の光を浴びると光るんです。
キラキラというよりは、あまり表現が良くないですがギラギラと。
太陽の光の角度に羽根を合わせたりずらしたり、写真を撮りながら、光の移ろいに夢中になっていました。
羽根が光を浴びている時、実際は木なのですが、金属のような宇宙を感じる素材に感じることがあります。

羽根の探求は、僕のライフワークになりそうです。








2015年2月2日月曜日

羽根

「風の道」

今年の初めから、取り組み続けた鹿角の羽根が仕上がりました。

「鹿角の姿、美しさ」その感動と「羽根」を調和させたい、最初から最後までその意識で鹿角と対面し続けました。鹿角の声に耳を傾け、その中で僕ができうることを探していく作業。

その対話を繰り返し削りだされた鹿角の羽根の姿を、僕は探し続けました。

この羽根の製作期間、使命を持って生き道半ばで命を落としたある方のことをニュースで知り、度々、その方が脳裏を過ぎっていきました。
羽根がバランスを保ち天を見つめて立ってくれるよう鹿角を削る僕の想いと、その方への思い。制作の中で入り混じっていました。
命を何のために使うのか。
仕上げの最終段階に入ってもバランスを崩して立つことができなかった羽根を何とか立たせたい。
手探りしながら目に見えない羽根の重心を探していました。

信じる、絶対立つと信じる、諦めと迷いを吹きってそのことに集中しました。

作っている最中、壁にぶつかる度、できないというもう一人の自分が顔を出してきます。
けれど、いつもそれを乗り越えさせてくれる強い力は、今にも消えてしまいそうな微かな声で訴えかけている、自分を信じようとする心なのだと思います。

 命を何のために使うのか。その問いを繰り返していました。

僕は二人の師匠の作品に出会って、心が動いて、その作者に会いたくて足が動き、ひたすら手を動かし、いつの間にかこの彫る仕事をしていました。

自分の仕事に対して、とても厳しくて、真剣で、曲がったことを許さない、話せば優しくて人間臭い、人の道をいく二人の師のように、この彫る仕事と共に生きたい。

そのように生きて、何かが人に伝わっていったら嬉しく思うのです。

羽根が天を見つめて立ち、光を浴びて影ができる時、物語の風が吹き始めます。


「風の道」

その人たちにいのちを与えたものは風

わたしたちにいのちを与え 

今わたしたちの口を付いてでるものも風

風がやむとき わたしたちは死ぬ

今でも指先の皮膚のしたに風の道が見える

それはわたしたちの祖先が創られたとき

風が吹いていたことを今に伝えている

ナバホインディアン


















2015年1月27日火曜日

小さい羽根

「もう少し小ぶりの羽根はないですか?」
以前、幾人かの方にそのような質問を頂きました。

その時は、羽根のサイズが長さ7.5cmのもので精一杯でしたが、
日々、昨日の自分を超えようと作業を繰り返すうち、写真のようなサイズ(長さ5.5cm)まで形にすることができました。

苦労した点は、羽根のサイズが小さくなったことで、より細やかな感覚が必要とされたことです。
いつもと違う感覚に戸惑い、作業も途中から進みませんでした。
このまま事を先に進めようとしても、うまくいかないような気がして少し時間を置くことにしました。

その間、オーダーの細かい作業に取り組み、その結果、細かいものに感覚が慣れてきました。

「せっかくここまでやったんだから最後まで仕上げよう」時間を置いたことで気持ちもスッキリし、勢いで仕上げました。

「次へのステップが見えてくるもの」それが今回の課題だったので、
実際に出来上がったものを見て、嬉しくなりました。

こうして一つ完成すると、そこにまた次へのステップが生まれてきます。

そう簡単には乗り越えさせてくれないステップばかりですが、
そこに新たな可能性を感じる喜び、 それに取り組めることに感謝して、また仕事場の椅子に座り木と対面したくなるのです。







2015年1月21日水曜日

スプーン

この木が生まれ持った姿、その美しさ。

それに、出会うとワクワクします。

この木にしか出せない音があって、それを聴いて、それに合わせて僕も音を出してみる。
 
それが楽しい。

「Wonder」 木の中にそれを発見して創る楽しさ、そんな遊びが僕は大好きです。

2015年1月8日木曜日

ボタン


さをり織り作家 酒寄さんからの依頼で、展示会用の「特別なコート」に合わせるボタンを作りました。

初めての試みは、毎回、新しい驚きと発見で満ちている。
「Wonder」それに出会うといつも心が震える。
子供の時の冒険は、今も創る時間の中で終わらない。

ひとつひとつコートに込められた真心、どんなふうに仕上がるんだろう。



 「ヒトヒトトナリ」
ようようさん(紡ぎ、編み) 酒寄剛史(さをり織り)2人展

2015年1月19日(月) 13:00~22:00
2015年1月20日(火) 13:00~19:00

会場 COFFEA EXLIBRIS (コフィア エクスリブリス)

東京都 世田谷区 代沢5-8-16 Tel 050-1516-6554

2015年1月7日水曜日

新年

「光と風」



羽根を彫っている時、僕は自分の道を歩いていると実感します。

可能性を信じて、まだ見ぬ未知を歩いていきたいと思います。





本年もどうぞ宜しくお願い致します。


2014年12月30日火曜日

家族

オーダーを頂いていた箸と箸置きが出来上がりました。

箸袋は妻に作ってもらいました。
3人分の箸袋にポケットが6つ、なぜかと聞くと家族が増えてもいいように、とのことでした。
妻らしい発想だなと思いました。

箸には星を3つ、箸置きは葉っぱと花をモチーフにしたものをという依頼でした。

箸には、楢(ナラ)、槐(エンジュ)、クルミの木を使いました。

お父さんの箸 楢の木は、どのような強風が吹いても倒れないと言われてます。

お母さんの箸 槐の木は、縁を授かるで縁授、延寿など縁起を担いだ木です。

お子さんの箸 クルミの木 手にふれる感触でクルミの木を選びました。


箸置き いくつもの花が一つに集まって咲いている姿から
「家族の結びつき」 を象徴する紫陽花をモチーフに選びました。

普段、どちらかというと強度や耐久性などのことを一番に考え、使う木を選んでいましたが、近頃は、その木の持っている意味を大事にしてもいいのではないか、と思うようになりました。

その人(使い手)にとって、
一番大事なことって何だろう、と考えるようになったからです。

この箸を渡すあの人の気持になって、受け取った方の幸せを願って。






2014年12月23日火曜日

フォーク

ある日、森の中、クマさんに、出会った、フォーク♪

こういうのもまた面白いかな。

2014年12月16日火曜日

屋久島の木たち

屋久島の森の旅人 健太さん奈央さんから屋久島の木たちと牙が届きました!

黒っぽい木が、まだ学術的に解明されていない炭化したnociw wood(健太さん命名)

「ジュンくんならきっとこの木たちを活かしてくれると思い、あと、屋久島の木の素晴らしさを体験して欲しい」と、健太さんが、山桜、栂、檜、屋久杉も入れてくれました。

 屋久島の木霊たち、ここまで来てくれてありがとう。


健太さんと奈央さん、ありがとう!





2014年12月10日水曜日

スプーン

前回、作ったスプーンを踏まえて次への展開。




2014年9月28日日曜日

寄り添う


友人の結婚のお祝いにと、ご注文頂いたスプーン。

旦那様は、ウォールナット
奥様は、エンジュ

材は違いますが、仲が良さそうです。

2014年9月25日木曜日

探求


5年前、木彫りの羽の製作に挑戦しました。

「いつか作ってみよう」
頭の中では出来上がっていた羽のイメージ。
彫刻刀を持つ手を動かす度に、何度も描いた羽のイメージで気持ちが熱くなりました。

しかし、
出来上がったものは僕の熱を一瞬にして奪っていくほど散々なものでした。
当然、僕の力不足もありました。

けれど、一番ショックに感じたことは、木では思い描いた羽の質感を作ることはできないんだと思ってしまったことです。

それから、作品に感銘を受けた根付師の齋藤先生の下で基礎的なことを学びました。
木彫りをしてきた僕にとって、根付での木のアプローチの仕方に衝撃を受けました。

そこから、僕は少しずつ羽の試行錯誤を繰り返し手応えを掴んでいきました。

そして、ここ最近作った一連の羽は、あるきっかけから再び挑戦し作ったものです。

2014年9月15日月曜日

修理、受け付けてます

数年前に作った髪留めです。

持ち主の方がアフリカを旅していた途中、ビーズが割れてしまったとのこと。

修理で手元に届いた髪留めを見て、とても嬉しくなりました。

木の柔らかい光 大切に使っていてくれたんだなとわかりました。

そして、未だ自分の未熟さを切々と感じながらしているものづくり。
ひとつ気づいたことがありました。

それは、その時にしか感じられない、その時にしかつくれないものがあるのかもしれないということです。

その時そこに在った気持ちの表れ。その時の精一杯の仕事。





2014年8月3日日曜日

新しい場所






今日はとても嬉しいことがありました。

今年の4月にオープンしたセレクトショップ「mandore」さんに、
yagateの木彫りを置かせて頂くことになりました。

場所は、長野県の上諏訪。

長野県出身の僕にとっては、とても嬉しいことです!

店内にはオーナーの小平さんが海外で買い付けてきた古着や雑貨、作家さんの作品が
とてもセンスよく並んでいます。

そして、店内の隅に置かれたテーブルでは、
海外の瓶ビールとオーナーお手製のチャイを飲むこともできます。

これから、yagateもmandoreと一緒に楽しいこと、
実のあること、共有していけたら、と思います。

僕たち夫婦もいっぺんで好きになったmandoreと小平さんに、
皆様会いに行ってみて下さい!

〒392-0003 長野県諏訪市上諏訪1753-3 TEL.0266-78-3166 FAX.0266-78-3167






2014年8月1日金曜日

眼差し



亡くなった師匠はよく好んでニマを彫っていました。

僕は師が彫ったニマが大好きでした。

そこにいつも、木を尊敬する師のまなざしがあったからです。




 木を尊敬するってどんなことだろう?

その問いに、僕は木を彫ることで答え続けていきたいと思うのです。



2014年7月5日土曜日

髪留

彫刻刀を研ぎ、彫り台の前に。

シュっシュっと削った木の断面の中に、研ぎの成長を感じています。






2014年7月3日木曜日

旅を終えて



カナダにいる間、僕の木彫りを手にした方からの感動のメールを頂いたり、前から欲しかったと鎖彫りを購入してくださった方の話を聞いたり、早く日本に帰って彫らなきゃと嬉しい気持ちでいました。

そして、僕はとても勇気付けられました 。



カナダの旅は、僕が10数年前から持ち続けた夢であり計画でした。

どうしても会いたい人たちがいて(ファーストネーション、イヌイット)、自然や動物、土地に惹かれて、そこに深く関われる仕事をしたいとずっと思っていました。
その時にはまだ、木彫りにも出会っていませんでしたが、強い思いだけはずっと僕の中にありました。

木彫りに出会ってからは、これがどこかでそこに通じる道だと信じて、とにかく必要であると思うことは師を求め学び続けてきました。

そして、今年に入り一つの機会が巡ってきました。

あるファーストネーションのアーティストが、僕に会ってくれるとのことでした。

ぼくにとっては、本当にベストのタイミングでした。
ここ数年ある一つの問いが、木を彫りながらずっと僕の中にありました。
人と彫刻との関わり、どのような役割を担っていたのか。

それを、尋ねてみたかったのです。

僕は、急遽、カナダへ行くことを決めました。

結局、そのアーティストには会えませんでした。
その方の仕事がものすごく多忙な時期に入ってしまったことや、僕のタイミングが合わず。
が、ずっとこの旅のサポートをして下さったヒロさんのおかげで、幸運にもあるトリンギット族のアーティストに会うことができました。 UBCの博物館で、その方の作品にとても惹かれていたので、出会えたときは本当にうれしかったです。


さらに幸運だったのは、その方の個展と重なり滅多に見ることができない作品をこの機会に観れたことでした。心の奥底でグッと惹かれる、UBCの膨大な作品数の中、この方の作品に足が止まって惹きつけられた。この感覚はどこからやってくるのか。

人の多さに圧倒されつつ、最後の最後で、そのアーティストに質問することができました。
僕のつたない英語にも関わらず、真剣に耳を傾け聞いてくれました。

彫刻する上で、最も大切なことは何ですか?

自分たちの歴史、文化、精神、あらゆることを学び続けなさい。
そこから生まれ出てくるものが何よりも大切なことだよ。

A ture artist learns foever


これから製作開始です!









 






2014年5月19日月曜日

遊楽民へ

先日、静岡の浜松市にある遊楽民へ、木彫りを届けに行ってきました。

髪留め、スプーン、木べら、鎖彫、石入りのペンダントです。

是非、手に取って見て頂けたらうれしいです。

もちろん、遊楽民で通信販売もしていますので、どうぞご利用ください。




ひょうたんランプと手づくり雑貨のお店、遊楽民で生まれた作品のあれこれをご紹介。 
ひょうたんランプ /ハンドメイド /雑貨 /古道具/ディジュリドゥ などなど 
〒435-0046 静岡県浜松市東区丸塚町282 
Open 11:00 Close 19:00  営業日 金・土・日・月 
TEL&FAX 053-571-0703 
P4台 ※カード利用不可








2014年4月16日水曜日

ひとりごと

先日、根付師の齋藤先生から、デッサンやそれに取り組む姿勢について、お叱りをうけ自分のことを見つめ直す機会を得ました。

結論から言いますと、僕は齋藤先生に甘えていたんだなと気づきました。

8年前、僕は木彫りの師である幸次さんとの数年間の時間の中で、僕自身がこれから作っていきたい核心のようなものを見つけました。

それを形にするにはどうしたらいいのか。
そんな時に、齋藤先生の造形に出会い深く感動しました。
それから 1年間、その核心を形にするため何が必要なのか自分自身に問いかけ、齋藤先生の門を叩きお願いをしました。

「先生の下で、勉強させて下さい!」
何がなんでも先生の下で学びたいという強い気持ち、言葉はたどたどしかったですが、僕の話を聞いて下さいました。

先生は僕の気持ちを汲み取って下さり、技術ではなくものを作る上で土台となってくれる力、
デッサンを僕に勧めてくれました。


あれから4年、今回先生に送ったデッサンをきっかけに、僕は自分が作ろうとしているものの基礎は学んでいたのだと気づきました。

後は、自分で考えに考え抜いて、ひとつひとつその答えを出していくしかなかったのです。

それを先生に求めてしまっていた自分が恥ずかしくなりました。

そして、先生が何度も言っていたデッサンの真意も少しずつわかり始めました。

先生が言うデッサンは、そのものの本質を見極め自分の中にある「詩」を明らかにし、彫り台に向かう前に360度しっかりそれを頭に叩き込む一つの手段、なのではないかと思いました。

とにかくこれから僕がやっていくことは、一つの作品に対する情熱と自分が得た核心を形にしていくことなのだと思いました。

ひとりごとですみません。